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やまね洞 で居眠りしていたいけど(ひとり本屋のぶつぶつ)

ひとり本屋「やまね洞」の中のねこ店員(ニンゲン)が、本などの話を思いつくままに。

【ひとり読書会 第08回】貝原益軒「楽訓」 -08- 現代文の回

図書かふぇ やまね洞の猫店主です。

 

棚おろし作業を進めたいと思いつつ、作業スペースを見つけられず。時間的余力もいま一つ。
積ん読解消作業は、亀の歩みにもいたらず、1歩進んで2歩下がる的状況。
何とかしないといけません・・・。

 

では、今日の本題の「楽訓」現代語訳にいきましょう。
よろしくお付き合いください。


★猫店主的現代文訳★


前回読み下したところはこんなふうに読んでみました。


参考までに、前回の読みくだしの回を貼っておきます。 

yamanedo.ieneko-sha.com

 

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一、その時々に従って、月や花、そのときの旬のものを楽しみ、折々の季節の風物をめでて、季節や時期にあった漢詩や和歌を声に出して読み上げて心で楽しむということこそ、自作する苦労もなく、たやすく堪能するいい方法だろう。

古代中国の才能あふれる人も、参加した席にいる人たち(主催者、お客さま)に対してその場にふさわしい古い歌をいろいろ紹介して、その心情を述べたりすることが、左丘明の書(『春秋左氏伝』)などに多く載っている。これは、自分が作ろうとするより、古めかしく理路整然としていて、人を感動させることがより深くできるからだろうか。まずは故事をスタンダードとしてみなさい。

我々がつたない言葉でもって、なまじ不用なことを言い出すのは、自分ではいいことを言ったと思っても、詩歌を知っている人が見る目も恥ずかしく、顔之推がいうところの「詅癡符(れいちふ)(馬鹿を見せびらかすもの)」のそしりを免れにくいことになるだろう。
私のような者は才能もつたないし、言葉も巧みにしようと考えて苦労するのもわずらわしく思う。もし、天賦の才能がある人がたやすく作り出すなら趣もあるし、座を盛り上げることだろう。されど、そもそも五字の句(漢詩)をうたいきろうとして一生分の心を使いきるようなことには益がない。

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★猫店主の一言(補足とまとめ)★

 

参考にした用語類のうち、人物・引用関連を抜き出して再掲します。
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○左氏=左丘明(さきゅうめい):春秋時代の学者。孔子の書『春秋』の解説書『春秋左氏伝(しゅんじゅうさしでん)』をあらわしたとされる。

○顔之推(がんしすい):531?-602/603
南北朝末期の学者。山東省出身。孔子の高弟の家系の人。『顔氏家訓(がんしかくん)』をあらわす。

○『顔氏家訓』:7巻。600年ごろ成立。子孫のためにさまざまなことを自分の知識経験に基づいてまとめて教え諭した書。子育て、家族、勉強など生活する上での知恵を記録する。日本には、平安時代には入り、江戸期には刊本として流布していた。

○詅癡符(れいちふ):『顔氏家訓』第4巻第9 文章篇、2に出てくる言葉。
直訳的には、「自分の愚かさを見せびらかす札」。

<当該部分のざっくりまとめ>
文章の才能は生まれつきのものだが、その才能もないのに自分の文章は清華だと思って披露するような人がいる。そういう人を、江南では「詅癡符」と呼ぶ。

 ※林田氏訳では、「馬鹿の看板だ」とされています。(P92)

[参考文献]
 顔之推/林田愼之助(訳)『顔氏家訓』講談社学術文庫 講談社 2018年

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中途半端に自作して失笑を買うよりも、きちんと意味や雰囲気があっている古典の漢詩や和歌、言葉を使うほうがいいよということのようです。

それができるということは、ちゃんと古典(この場合は「四書・五経」ですよね、最低限)がわかってないといけないってことでしょう・・・。

 

「読書」の項は、一つ書きあと1つで終わります。
1つの項を読み終えたら、まとめ直して、少し整えて、noteに載せておこうかと思っています。

 

次の項をどこに行こうか。
ご意見あれば教えてください。まだまだつらつらと思案中です。

 

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