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やまね洞 で居眠りしていたいけど(ひとり本屋のぶつぶつ)

ひとり本屋「やまね洞」の中のねこ店員(ニンゲン)が、本などの話を思いつくままに。

【ひとり読書会 第11回】貝原益軒「楽訓」 -11- 読みくだしの回

図書かふぇ やまね洞の猫店主です。

急に空気が冷たくなりました。
日本のあちこち、いろいろ起こっている中、もうしばらくの間、寒くならないでいてほしいなあと祈ります。

とっちらかり状態の中でも、今度の日曜日のみちくさ市のために、積ん読の本の山を右から左へと崩していたら、今朝、おばばさまに「通れないからこっちに積み直したよ」と言われました。

・・・みちくさ市行きにしようかなと思っていた山がなくなって分散吸収されていた・・・。

めでたく山崩し作業の作業量増加決定。
棚卸しだけで時間切れになったりして、とちょっとおそれつつ。

さらにさらにとっちらかり状態はパワーアップ中です(涙)!

さて。
気持ちを落ち着けて。
おいしいお茶が飲めるような気温になってきましたから、お茶のおともで、お読みいただければありがたく。
前回で「読書」の項は読了。

今回からはトップに戻り、「楽訓」の冒頭の項「総論」に入っていきたいと思います。

 

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古民家の居間 文机を置いて読書(あくまでもイメージ)

ちなみにですが、「楽訓」の本文は、国会図書館のデジタルコレクションで公開されていますので、ご興味のある方はそちらをご参照ください。(リンク先は国会図書館デジタルコレクションのトップページです)


★「楽訓」本文(読みくだし)★

無理に読む必要はありません。
読んでみようかなと思った方はチャレンジしてみてください。
そして、次回の猫店主の読み方と違うところがあったら、ぜひ教えてください。

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一、天地(あめつち)の恵みを受けて、生きとし生けるもろもろ、きわまりなきうちに人ばかり貴き物なし。いかんとなれば、人は万物の霊なればなり。されば、人とかく生まれきぬること、いたりて得がたき幸いなり。しかるに、我が輩(わがともがら)愚かにして人の道を知らざれば、天地(あめつち)より生まれ得たる人の心を失い、人の行くべき道をば行かで、行くまじき道に迷い、朝夕心を苦しめ、その上、我が身に私して、人に情けなく、おもんぱかりなくて、人の憂いを知らず。いたりて近き父母につかえてだにその心にかなわず。およその人倫に交わりて、道を失い、人と生まれたる貴き身をいたずらになし、鳥獣(ちょうじゅう:とりけもの)と同じく生き、草木とともに朽ちなんこそ本意(ほい)なけれ。顔之推(がんしすい)が「人身は得がたし、むなしく過ぐすことなかれ」と言いけんこと、心にとどむべし。この故に、人はいとけなきより古(いにしえ)の聖人(ひじり)の道を学び、我が心に天地(あめつち)より生まれ得たる仁(じん)を行いて、自ら楽しみ、人に仁を施して、楽しましむべし。
仁とは何ぞや。あわれみの心を本(もと)として、行い出せるもろもろの善を全て仁という。仁とは、善の惣名(そうみょう)なり。仁を行うは、これ、天地(あめつち)の御心(みこころ)に従えるなり。これ、すなわち、古(いにしえ)の聖人(ひじり)の教え行う人の道なり。この道に従いて自ら楽しみ、人を楽しましめて、人の道を行わんこそ、人と生まれたる甲斐がありて、(顔)之推が言いけん、むなしく過ごすの憾(うら)みなかるべけれ。

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★猫店主の一言(補足とまとめ)★

~読みくだしを読むために参考となるだろう用語・人物ポイント紹介~

顔之推(がんしすい):531?-602/603
南北朝末期の学者。山東省出身。孔子の高弟の家系の人。『顔氏家訓(がんしかくん)』をあらわす。

『顔氏家訓』:7巻。600年ごろ成立。子孫のためにさまざまなことを自分の知識経験に基づいてまとめて教え諭した書。子育て、家族、勉強など生活する上での知恵を記録する。日本には、平安時代には入り、江戸期には刊本として流布していた。

本意(ほい、ほんい):真意。本来の意思。本来あるべきさま。

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「読書」を読んだ後なので、少しは慣れて、益軒さんのお言葉が楽に受けとめられるようになってきているとよいのですが。

いわゆる「はじめに」というところです。
益軒おじいちゃんが思っていることがドドンと、これからも出てくることでしょう。

つぎのときは今回読みくだしたところの現代語訳版です。
よろしくお付き合いください。

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