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やまね洞 で居眠りしていたいけど(ひとり本屋のぶつぶつ)

ひとり本屋「やまね洞」の中のねこ店員(ニンゲン)が、本などの話を思いつくままに。

【こんなお話ありました】 明治の洪水発生後に出た 埼玉県令

 
明治43(1910)年8月、荒川最大の出水とされる洪水が起こりました。かなりの長雨だったところに暴風雨がきて洪水に至ったようです。利根川の洪水も合わさり、埼玉県の平野部すべてが水没、東京下町に大きな被害をもたらしました。 
この洪水の結果、荒川の改修計画が進み、荒川放水路が作られることになります。

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荒川河川敷
洪水は8月10日に発生しました。発生3日後に、埼玉県は、伝染病予防のために行うべき清掃法を定めて県令を発しています。
  
 
 浸水地清掃方法*1
 
1.家屋の周囲に沈殿した塵芥、汚泥は取り除き、ほかに影響が出ない場所へ運搬すること
 
2.屋内は、床板を撤去して、浸水した部分を内外ともに清水で洗浄し、窓、戸を開き、十分に乾燥させること
 
3.床下は、塵芥汚泥を取り除き、乾いた土砂、石灰、貝殻などを敷くこと
 
4.浸水した畳、建具は、清水で洗浄して日光にさらした後で使うこと
 
5.汚水が浸入した飲料水は、井戸さらいを行うこと
 
6.飲料水は、井戸さらいをした後でも濁っていたら、煮沸(しゃふつ)か濾過(ろか)をして使うこと
 
7.汚水につかった飲食器具は、きれいに洗った後に煮沸して使用すること
 
8.邸宅内外の雑草を刈り取り、下水、側溝は汚泥を取り除き、汚水が停滞しないようにすること
 
9.衣服、寝具のたぐいは、日光にさらすこと
 
10.明治43年6月以降に伝染病の患者がいた家や、その他、病毒汚染のあった場所には消毒的清掃法を実施すること
  
以上の10項目を県知事名で発令しました。
 
 
今回の台風19号は、地球温暖化で海水温などが4度上昇したシミュレーションで最大被害を起こす場合とほぼ一致したという話もあります。
まだまだ通常の生活に戻るまでにはほど遠い、という方々が多いと思いますが、少しずつでも復旧が進みますよう、さらにケガ、病気になりませんよう、お祈りしています。
 
洪水の概要は以下を参照しました。氾濫地域の地図が掲載されています。
 
資料出典:
埼玉県『埼玉県立図書館復刻叢書10 明治四十三年埼玉県水害誌』埼玉県立浦和図書館1987年
 原本は、埼玉県『明治四十三年 埼玉県水害誌』大正元年 です。
 
水害なので資料があまり残っていないのでしょうね。とても大変だったというお話は聞くことがあるのですが、それが文字にはなかなかなっていないようです。
 

*1:少し読みやすい表現に直しました。p244

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