図書かふぇ やまね洞 の猫店主です。
ここのところ、風が強い日が多くなりました。
どちらかというと北風で、冷たい風が当たり、顔が痛いなあと思ったりしますが、春は一歩一歩近づいてきているとも感じます。花粉も飛んでいる様子、アレルギーのある方々は大変かと思いますが、しばらくの間の辛抱です。冬来たらば春遠からじ、と独りごちて。
梅から桃へと花が移ってきましたね。あっという間にひなまつり。
今回は、「日本国憲法」を知ろう シリーズの3回目です。
前回は、日本国憲法の英語版を素直に日本語にしてみたらどうなるだろう、という本でした。
翻訳: 柴田元幸
法律用語監修: 木村草太
編集: 英語出版編集部
『現代語訳でよむ日本の憲法』
アルク 2015年8月
前回記事はこちらになります。
本文、内容を素直に読んだあとは、理解を進めていきますか。まずは日本国憲法を法律として理解するためのとっかかりはないものか。
そこで今回は、前回登場した、憲法を専門的に研究する法学者の木村草太氏の本を。
著者: 木村草太
対談: 国谷裕子
『憲法という希望』
講談社現代新書
講談社 2016年9月
この本は、2016年5月に大阪で開催された講演会をもとに加筆、修正を加えてまとめられました。最初に木村草太氏が講演を行い、その後に、国谷裕子氏(ニュースキャスター)と木村氏の対談となり、講演内容の深度化、整理がされています。
今現在よりも、憲法を改正したいという国会周辺の空気がとても強い中、キーワードとしてよく新聞やテレビで取り上げられて耳にすることの多い「夫婦別姓問題」「沖縄 辺野古基地移転問題」「憲法九条」というテーマを切り口にして、日本国憲法は遠い存在ではなく、自分たちの結婚やどこに住むかといった身近な問題についても指針を示してくれるものであること、また、市民が権力者たちに対抗したり、批判するためのとても有効な武器となることを教えてくれます。
法律やその文章の解釈なんてよく分からない単語が続くからと遠ざけるのではなく、みんなが平等で、違っていることが受け入れられている(多様性を保障する)社会を確保しようするためのものと思えば、国や権力者がやっていること、やろうとしていることは、認めてもいいと思えることなのか、それとも、ちょっとはみ出してやりすぎじゃないと思うか、現行憲法の言葉を基準にして判断することができるよと伝えようとしています。
今まで、憲法の条文を読んでみても、「そういう枠組みを作ってるのか~」という理解でいましたが、この「枠組み」であることがとても大事で、1つの、でもとても基本的な判断基準として使えるんだと教えてもらえたように思います。
honto で見るにはこちらからどうぞ。