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やまね洞 で居眠りしていたいけど(ひとり本屋のぶつぶつ)

ひとり本屋「やまね洞」の中のねこ店員(ニンゲン)が、本などの話を思いつくままに。

海の向こうの人たちは、自分たちの歴史をどんなふうに知っていくのだろうか。 ~ヨーロッパ通史3種~

昔から、何となくですが、ヨーロッパの子どもたちは、どんな本を読んで、自分たちの国の歴史を知るんだろうと気になっていました。

 

猫店主の場合は、図書館とか、学校の図書室に並んでいた

『少年少女日本の歴史』小学館(今は改訂・増補版になっているようです)

をよく読んでいたと思います。

また、

テレビ番組「まんが はじめて物語」1978(昭和53)年 ダックス/TBS制作 全305話

もよく見ていましたね。

 

これらや『ブッダ』、『ベルサイユのばら』、『7つの黄金郷』などのマンガなどからも多大な影響を受けております。

原典を探しにいけるような語学力はないので翻訳されている本からにはなりますが、以下のような本が棚にありました。

 


通史をおはなし調にして、読み物にした本

 

エルンスト・ゴンブリッチ著、中山典夫訳

『若い読者のための世界史』*1

 上下巻 中公文庫 2012年

honto.jp

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イギリスで活躍した美術史家として知られるゴンブリッチ(1909-2001)*2が、「むかしむかし」と、古代エジプト、メソポタミアから説き起こし、アジア、インド、ローマへと美術史的な視点で章を立て、書きつづっています。
 


ヨーロッパというまとまりで理解しようとまとめた本

 

ジャック・ル・ゴフ著、前田耕作監訳、川崎万里訳

『子どもたちに語るヨーロッパ史』

ちくま学芸文庫 2009年初版

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フランスのアナール学派*3の中世史家、ル・ゴフ(1924-2014)が、"EU(ヨーロッパ連合)"の時代となった21世紀にふさわしい歴史理解を進めてもらうために書いたものです。

 

この本には、「子どもたちに語る中世」という読み物も訳されて収録されています。
ある程度歴史知識のある人に、Q&A形式でヨーロッパの中世の人々の様子、文化、生活について説明しています。

 

やはり、ヨーロッパ的思考の背景には多分に中世のころからのものがあると思います。「だから、そういう考え方になるのか」と思わせてくれますね。

 

雑学的な話を集めて、通史をおもしろく読んでもらおうとする本

 

 テランス・ディックス著、尾崎寔監修、竹内理訳

『とびきり陽気なヨーロッパ史 EUROPE UNITED』

ちくま文庫 1999年初版

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イギリスのライターである著者が、少しニッチな歴史的事柄をまぜながらざっくりと切り取っていきます。シリーズ本のイギリスの歴史のほうは、もっとシニカルな内容で口語的です。書いている人が違うせいかもしれないですが、これはこれでおもしろい。

ヨーロッパの歴史を理解するには忘れちゃいけないベルギーを筆頭として、次にデンマーク、フランス、ドイツと、計11カ国を取り上げています(邪推すると、このあたりの国のことはあっちの人たちもわかりにくいのかなあ)。

そして、豊富に差し込まれるイラストがとても風刺画調でイメージやポイントを読み取りやすくしてくれています。

  

 

海で囲まれて国境がはっきりしている日本とは全く違う、地続きで異なる民族が国境を接しているところだということをおもしろがりながら読めます。

翻訳本という制限が大きいと思ったりしますが、内容的にはきちんとしたものを見つけられたような気がしています。もう少し、引き続き探してみたいと思っているジャンルです。

 

*1:2004年12月中央公論美術出版から出た単行本を分冊して文庫化。

*2:『美術の歩み』『美術の物語』など

*3:網野善彦氏や阿部謹也氏に多大な影響を与えたとされるフランスの歴史学研究の一派。歴史を事件史として捉えるのではなく、人々の思考、感覚などを家族や日常生活を研究することで理解しようとする。また、文献(文字史料)以外の資料(民俗資料や伝承など)も研究対象に含めるべきとした

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