「日本のシンデレラ」という話を聞いて、手に取ったんじゃなかったかと。
平安中期にできたとされる『落窪物語』(おちくぼものがたり)。
中納言殿(中流貴族ってところですかね)の先妻の子である、女君(めぎみ)は、現在の北の方(女あるじ)に疎まれていました。
日の当たらない落ちくぼんだ部屋で、裁縫仕事を日々命じられています。
それは、姫君としての生活ではなく、もはや女官のような扱い。
このシチュエーションがシンデレラと同一視されるところなんでしょう。
話が進んでいくと、違いがはっきりしていきます。
魔法使いは出てこないですよ。
どちらかというと、落窪の君(女君)が右近の少将(上流貴族のイケメン)と結婚してから、女君かわゆしの少将が、中納言殿の北の方に対して嫌がらせ、意地悪を繰り返すところの話のほうが長い。
子どもですから、古文は読めません。
現代文に訳された本を読んだはずですが、どの本だったかは記憶にありません。
子ども向けの古典をダイジェストしてまとめたものだったかも。
今までに複数人の方によって現代文に訳されて、小説になっています。
1977年 田辺聖子(たなべ せいこ)氏
1993年 氷室冴子(ひむろ さえこ)氏
この中でも、氷室冴子氏のものは今でも販売中。
田辺聖子氏は、『舞え舞え蝸牛』と『おちくぼ姫』の2種あります。
さらに、マンガになっているものも。
1999年 花村えい子氏
これも買いましたね。持ってます。
花村えい子氏のきれいな線がいい雰囲気で。
でも、枚数の加減か、内容はダイジェスト版なんです。
そして、現在鋭意連載中なのが、氷室冴子氏が原作の『なんて素敵にジャパネスク』をマンガ化した、山内直実氏による『おちくぼ』1~5。
おちくぼ(花とゆめCOMICS) 5巻セット
きちんと古典作品に沿ってストーリーが進んでいます。
そろそろ折り返し点といったところでしょうか。
次を待っている状態です。